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エアコンの破棄について

エアコン室外機の廃棄と悪徳業者の構造、正しい処分方法

 

 

1. 廃棄にお金がかかる理由と悪徳業者がお金を手に入れる仕組み

 

項目 適正な(費用がかかる)処分 違法な(無料で回収される)処分
費用の目的 リサイクル料金:資源化の費用。フロン回収・工事費:専門作業の対価。収集運搬費:正規ルートの物流費。 排出者の費用負担を回避し、違法に利益を得る。
フロンガス 法律に基づき、専門業者が回収・破壊する義務がある。 回収せず、大気中に放出(違法)。
業者の利益源 法律を遵守した適正なサービス料金(人件費・施設維持費など)。 違法なフロン放出や不法投棄でコストをゼロにし、室外機の金属(銅など)だけをスクラップとして売却して利益を得る。
結論 法律や環境保全のコストを排出者(お客様)が負担している。 法律や環境コストを無視し、犯罪的な行為で業者が利益を独占している。

 

2. エアコン(室外機)を廃棄する場合の正しい対応

 

エアコンは家電リサイクル法フロン排出抑制法の対象であり、粗大ごみとして廃棄することはできません。リサイクル料金(および運搬・取り外し費用)を支払って、必ず正規のルートで処分してください。

処分方法 費用の目安 メリット デメリット・注意点
A. 買い替え先の販売店に依頼 リサイクル料金 + 収集運搬費 + 取り外し工事費 ($6,000\text{円}\sim 12,000\text{円}$程度) 新規設置と同時に処分でき、手間がかからない。 新しいエアコンを購入する場合に限る。
B. 処分のみを依頼 リサイクル料金 + 収集運搬費 + 取り外し工事費 ($6,000\text{円}\sim 12,000\text{円}$程度) 以前購入した店舗や自治体の指定業者に依頼可能。 料金が店舗によって異なるため、事前に確認が必要。
C. 自分で指定引取場所へ持ち込む リサイクル料金のみ ($990\text{円}\sim 2,000\text{円}$程度) 運搬費がかからず、最も安価。 自分で取り外し工事を手配し、運搬する必要がある。
D. 専門の買取業者に売却 無料、または買取金が得られる まだ使えるエアコンなら費用がかからず、収入になる。 動作しない場合や製造から10年以上経過している場合は買取不可。

 

最重要の注意点

 

  • 「無料回収」の誘いに乗らない「無料」でエアコンを回収・取り外しを謳う業者のほとんどは、違法な処理(フロン放出や不法投棄)を行っている悪徳業者です。絶対に利用しないでください。

  • 費用の内訳を確認する:正規の処分では、リサイクル料金フロン回収を含む取り外し費用の負担が必ず発生します。

  • 業者の許可を確認する:**「一般廃棄物収集運搬業の許可」「古物商許可」**などの表示があるかを確認し、信頼できる業者を選びましょう。

「無料で処分する業者」の儲けの仕組みは、正規のコストを無視するか、回収品を商品・資源として再利用することによって成り立っています。

大きく分けて「合法的な仕組み(買取など)」と「違法な仕組み(コスト回避など)」の2種類があります。

 

 

無料でエアコンを引き取る業者

 

1. 違法な(悪徳業者の)儲けの仕組み

 

これが最も危険で、社会問題となっている「無料回収」の主なからくりです。本来かかるべきコストをすべて無視することで、回収品の売却益をそのまま利益としています。

儲けのカラクリ 具体的な手口 違法性(コスト回避)
高価な金属資源の売却 室外機を分解し、銅(銅管やモーター)、アルミニウムなどの高値で取引される金属を、金属スクラップ業者に売却して現金化する。 家電リサイクル法違反(指定ルート外処理)
フロンガスの放出 冷媒のフロンガスを回収・破壊せず、そのまま配管を切断して大気中に放出する。 フロン排出抑制法違反(本来、回収費用が発生する)
不法投棄によるコスト回避 金属を抜き取った後のプラスチックや配線などの残骸を、正規の産業廃棄物処理場に持ち込まず、山中や空き地などに捨てて(不法投棄)、処理費用をゼロにする。 廃棄物処理法違反(莫大な処理費用を回避)
オプション費用などの不当請求 「回収は無料」と謳いながら、**「運搬費」「取り外し工事費」「リサイクル困難品処理費」**などの名目で、法外な高額な追加料金を請求する。 特定商取引法違反(強引な契約・不当請求)

 

2. 合法的な(優良業者も行う)儲けの仕組み

 

**「無料回収」**を謳う業者の中には、まだ使える品物を仕入れる目的で活動している業者や、追加作業で利益を得ている優良業者も存在します。ただし、エアコンの「無料回収」は法的な義務を考えると非常に限定的です。

儲けのカラクリ 具体的な仕組み
中古品としての再販 製造年が新しく、状態の良いエアコンを中古品として国内または海外に輸出・再販する。特に日本製のエアコンは海外で需要が高い。
別作業での収益化 「回収費は無料だが、取り外し工事費や出張費は有料」として、そちらの作業費用で利益を得る。
他のサービスへの誘導 無料回収をきっかけに顧客を獲得し、別の高額な不用品回収やハウスクリーニングなどのサービスを受注する。
部品取り・パーツ販売 故障していても、まだ使える基板やモーター、特定の部品を取り出して修理業者や専門業者に売却する。

 

【まとめ】

 

「無料で処分する業者」の正体を見極めるには、「フロン回収」と「リサイクル料金」を適切に扱っているかが最大のポイントです。

  • 「リサイクル料金もフロン回収もすべて無料」と宣伝する業者は、ほぼ間違いなく違法な手段(コスト回避)で儲けている悪徳業者です。

  • **「まだ使えるエアコンは無料で査定・買取」「回収費用は無料だが、取り外し工事費は必要」**という業者は、合法的なビジネスモデルで運営している可能性がありますが、最終的な料金の内訳と許可を必ず確認する必要があります。

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