終活の準備とは
終活の準備
終活の「ベストなタイミング」に決まりはありませんが、体力や気力が十分にある「思い立ったとき」が理想的です。特に、定年退職を迎える65歳前後で始めると、時間に余裕ができてスムーズに進めやすく、メリットが大きいとされています。また、家族構成の変化や自身の健康状態に変化があった際も、終活を始める絶好の機会です。
終活を始めるのに適したタイミングの例
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思い立ったとき:
終活は「何歳から始めるべき」という決まりはありません。心に余裕がある「いつ」でも、終活は始められます。
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定年退職時:
会社を定年退職し、時間に余裕ができる60代前後が、終活に着手する人が多い年代です。
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人生の節目:
結婚・出産で家族が増えたり、子どもが独立したりするタイミングで、自分自身の将来や家族への配慮を考える機会ができます。
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自身の体調に変化があったとき:
病気や大きな怪我など、体力や健康状態に変化があった際は、医療・介護の希望をまとめたり、財産整理を始めるきっかけになります。
早めに始めることのメリット
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体力と判断力を活かせる:
体力が必要な生前整理や、複雑な手続きを行う判断力があるうちに終活を進められます。
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心の余裕ができる:
人生の後半戦に向けて、落ち着いて自分の人生を振り返り、整理する時間を持つことができます。
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将来の計画が立てやすい:老後資金の準備や、自身の希望を家族に伝えることで、余裕を持った人生設計が可能です。【やっておいてほしいこと】資産が少ない方の終活では、お金をかけずに、家族に負担をかけないための準備と意思表示を明確にしておくことが大切です。以下のような項目を、エンディングノートを活用するなどしてまとめておきましょう。1. 医療・介護に関する意向医療や介護に対する希望を、元気なうちに文書で残しておきます。
- リビングウィル(事前指示書)の作成: 延命治療の希望や、どのような治療を受けたいか、または受けたくないかを具体的に記します。
- 介護の希望: どのような施設に入りたいか、在宅介護を希望するかなど、介護に関する意思を伝えておきます。
- かかりつけ医・常備薬のメモ: 家族が困らないよう、医師や服用中の薬をリストアップしておきます。
2. 財産と死後事務に関する整理資産が少ないからこそ、残された家族が相続手続きや死後事務で困らないよう、情報をまとめておくことが重要です。- 財産のリストアップ: 銀行口座、クレジットカード、有価証券、保険、年金などの情報を整理します。
- デジタル遺品の整理: スマートフォンやPCのパスワード、SNSアカウント、ネット銀行のID/パスワードなどをリストにして、信頼できる人に託します。
- 死後事務委任契約の検討: 身寄りがなく、死後の手続きを任せられる人がいない場合は、民間の団体や弁護士・司法書士に依頼する「死後事務委任契約」を検討します。費用はかかりますが、葬儀や行政手続きなどを任せられます。
3. 葬儀やお墓に関する準備費用をかけないための方法や希望を具体的にしておきます。- 火葬式(直葬)の検討: 通夜や告別式を行わず、火葬のみを行う「火葬式(直葬)」は費用を抑えられます。
- 公営斎場の利用: 公営の斎場や火葬場は、民営に比べて費用を安く抑えられます。
- 葬儀費用の支援制度の確認: 生活保護を受給しているなど、経済的に困窮している場合は、自治体の「葬祭扶助制度」を利用できる可能性があります。
- 散骨や永代供養の検討: 墓地代や維持費がかからない、散骨や永代供養という選択肢も視野に入れます。
4. 身辺整理残された家族が遺品整理で困らないよう、生前に物を減らしておきます。- 断捨離: 物理的な荷物だけでなく、人間関係やしがらみなども含めて整理します。
- 遺言書の作成: 遺すものが少ない場合でも、誰に何を譲るかなどを明確にするために、遺言書を作成しておくとスムーズです。公的な遺言書作成には費用がかかりますが、自筆証書遺言であれば費用はかかりません。
5. 相談・共有これらの内容を、家族や信頼できる人と共有しておくことが最も重要です。- エンディングノートの活用: 費用をかけずに、自分の意思を体系的に残せる便利なツールです。市販のものを利用したり、自分で作成したりできます。
- 生前の話し合い: 終活でまとめた内容を、家族に直接伝えておくことで、いざというときの迷いや負担を減らすことができます。
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